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2019年1月29日火曜日

高知大学医学部岡豊キャンパスでお話してきました

先週土曜日、高知大学医学部精神科主催の研修会にお招きいただき、話しをしてきました。対象は主に精神科を専攻した後期研修医とのことでしたが、多くの先生方にご参加いただきました。

呼んでくださったのは、高知県で認知行動療法の実践、研究、普及活動に邁進しておられる須賀楓介先生です。須賀先生は穏やかかつ暖かい一方でユーモアに満ちた先生で、普段から連絡を取り合い、認知行動療法を中心とした様々なディスカッションを続けている間柄です。わたしの大切な友人でもあります。

演題は「パニック症の認知行動療法〜一般外来への活かし方〜」というものでした。参加者の先生方にパニック症に対する認知行動療法を身につけていただくというよりも、認知行動療法の知識をパニック症の一般外来へ活かしていくために蓄積してきた様々なノウハウを伝える、がわたしに与えられたテーマでした。

せっかくのお休みである土曜日の午前中に、大勢の先生方に参加していただき、大変光栄でした。明日からの診療に役立てていただければ嬉しいな、と考えつつ帰路につきました。

普段みなさんとお会いする以外の時間で、学会発表、論文執筆、ワークショップ講師、認知行動療法の指導など、精神科医として様々な活動を継続しています。どのような活動をしているのか、今後もちょくちょく報告させていただきますね。

須賀先生、参加いただいた先生方、ありがとうございました。
それでは、また。



2017年1月30日月曜日

パニック障害(パニック症)の治療について

遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

さて、当クリニックが開院して、1年と半年ほど経ちました。どのような困りごとの患者さんが多く来院されるか、だいたい開院前の予想通りとなっていますが、ひとつだけ予想と異なることがあります。

それは、来院患者さんにおけるパニック障害(パニック症)の割合が、思っていたより低いということです。パニック障害の方は、特定の身体感覚(動悸、息切れなど)に恐れを抱くため、まずは体の病気を疑って、内科(例えば循環器内科、呼吸器内科)を受診されることがほとんどです。おそらくは、そこでそのまま治療を続けておられるのだろう、と今は考えています。(まずは内科受診、という選択自体は大正解で、むしろ推奨されます。心疾患、甲状腺疾患などをはじめとした身体疾患の可能性を除外することが何より大事です。)

一方で、パニック障害は精神科の病気です。もし、下記の項目に当てはまるようであれば、当院にご相談いただく価値があるかもしれません。
  • 確かにパニック発作はおさまっているが、自宅からほとんど出られなくなった。
  • 抗不安薬(デパス®、コンスタン®、ソラナックス®、メイラックス®、リーゼ®、セルシン®、レキソタン®など)が欠かせない。少しでも薬が切れると途端に不安が襲ってくる。
  • 妊娠を考えているため薬をやめたいのだが...。
  • 認知行動療法(または認知療法)が効果的で、「考え」を変えたら症状が改善するとアドバイスされている。言われた通り、「考え」を変えるように努力はしているのだが...。
  • そろそろ薬をやめたいと思っているが、やめどきがよくわからない。
  • 病気を悪化させると聞いて、コーヒーやお酒をやめた。電車ではヘッドホンを大音量で聞いて気をそらしている。デパートに行く時には必ず家族についてきてもらう。日々の生活が不安を避けるための「おまじない」や「約束事」で埋め尽くされていて、なんだか窮屈である。
当クリニックの売りの一つは、一人の治療者(私のことです)が、薬物療法と心理療法の両面から、総合的に患者さんの状態を判断できることです。これは、パニック障害をはじめとした不安障害の治療においては、とりわけ大きな強みとなるのです。

パニック障害の治療について悩みを抱えておられる方がいらっしゃいましたら、お気軽にご連絡ください。









2016年6月7日火曜日

パニック障害の集団認知行動療法のお知らせ

2016年7月2日(土)より、今クールのパニック障害(パニック症)の集団認知行動療法を開始します。毎週土曜日午後、全8回の予定です。現在お2人の方がエントリーされており、もう1名参加可能です。ご興味がおありの方がいらっしゃいましたら、お電話、もしくはこちらの問い合わせフォームまでご連絡ください。

集団の認知行動療法は、困りごとによって向き不向きがあります。例えばPTSDであれば、私は迷いなく個人療法を勧めます(より正確には、個人療法しか提供しておりません)が、様々な研究、自身の臨床経験、コスト面などを通して考えると、パニック障害については集団療法がオススメです。(もちろん希望される方には個人療法も提供しております。)

こちら(1)とこちら(2)も参考にしていただければ、と思います。ご連絡、お待ちしております。



2016.6.27追記
今クールの募集は終了いたしました。引き続き、パニック障害をお持ちの方のご相談をお待ちしております。

2016年3月16日水曜日

不安は「有害な」感情で、除去すべき「症状」?

医学では、人間をある種のロボットのようにみなすことがあります。

つまり、病気になった人は、全身のどこかのパーツや回路に異常や不具合があるとみなすのです。ですから、病気を治すためにはそのパーツや回路を取り外す/修理調整する(手術)、交換する(移植)、油をさす/充電する(投薬)ことで対応するわけです。機械主義的な世界観とでも言えるでしょうか。このやり方で、西洋医学はめざましい進歩を遂げてきました。

この考え方(医学モデル)は、精神科領域にももちろん適用されています。ただし、こういったやり方が精神科領域では有害となりうることもあるのです。その代表格が「不安・不安症状」への対処です。

不安・不安症状に対して、我が国では抗不安薬(いわゆる精神安定剤)が頻用されています。多くの場合、不安・不安症状を「有害症状」として捉え、これを「除去」するという狙いのもと抗不安薬が処方されているように感じます。

不安を除去しようとする試みは、うまくいかないこともあります。なぜならば、不安は私たちにとって必要な感情だからです。抑え込もうとすればするほど膨れ上がったり、よしんばうまくいったようにみえても、その代償として活き活きとした感情もろとも抑え込んでしまうことにもなりかねません。

不安・不安症状は除去するのではなく、波乗りをするがごとく、あるがままに乗りこなしていくことが肝要です。もちろん、一筋縄ではいかないのですが、そのお手伝いをさせていただくのが、私の役目の一つと考えています。ご相談をお待ちしております。


2016年2月3日水曜日

パニック障害の標準的な治療について

パニック障害の治療法は二つに大別できます。

ひとつは薬物療法。標準的にはSSRIという種類の抗うつ薬を使用します。他にもある種の三環形抗うつ薬などが有効であることがわかっています。

もうひとつは精神療法です。標準的なものとしては認知行動療法になるでしょう。他にも支持的精神療法、精神分析的精神療法、対人関係療法などが有効であることが示されています。

パニック障害は、数ある精神障害の中でも、治療に反応しやすいもののひとつです。もちろん例外もあるのですが、多くの場合、標準的な治療(すなわちSSRI、または認知行動療法、もしくは両者の組み合わせ)で症状が改善していきます。

しかし、ここでひとつの問題があるのです。「標準的な治療」というのは、「どこでも当たり前に提供されている治療」ということを意味しません。今後当ブログでも触れたいと思っていますが、ひとつの医療機関が、ある精神障害に対して、標準的な治療選択肢を提供できる、ということに対するハードルは、実は意外に高いのです。

当クリニックではパニック障害に悩む方に対して、上記の「標準的な治療」を提供することが可能です。これからも、批判的なものを含めた誠実な研究がなされ、一定の効果が示されている標準的な治療を重視し、これを皆様に提供できるように研鑽を続けたいと考えています。












2015年2月6日金曜日