2020年4月19日日曜日

新型コロナウイルス(COVID-19)感染症関連について

新型コロナウイルス(COVID-19)感染症関連ページを作りました。
少しずつ書き足していきます。

当院における対策について
・感染拡大がおさまるまで、非接触の支払手段(PayPay)を追加しました。
・職員全員がマスクを着用させていただきます
・診察室、受付に飛沫防止用のアクリル板を設置予定です。診察室は8月上旬、受付は8月下旬には設置したいと考えております。
・原則として当院スタッフ、患者さんとそのご家族、リワークなどの援助スタッフ、検査会社さんなど日々の業務に不可欠な方々のみ来院可能とします。それ以外の方についてはテレビ会議システムなどを利用し連絡を取ることとします。
・濃厚接触となるリスクが有るため、当面の間、特別外来(認知行動療法外来など) は中止とします
・原則として待合室、診察室の窓は常時開放し、換気に努めます
(診察室の外にはビルがないため、声が外に漏れることはありませんが、気になる方はおっしゃってください。その方の診察時のみ、窓を閉めさせていただきます)


ご協力のお願い
・マスクの着用をお願いいたします
・発熱時は事前に電話にてご相談ください
・体温が37.5℃以上の場合は受診をお控えください

院長の個人的な取り組み
・不要不急の外出は可能な限り控えます
・体調管理に努めます
・これまで以上に衛生管理(手洗いなど)に努めます
・皆様に正しい情報を伝えることができるように、情報の収集ならびに取捨選択に努めます

2020年4月8日水曜日

Boys Will Be Bugs / Cavetown

久しぶりにブログを更新します。
世間の流れに竿をさして、あえて最近お気に入りの曲を紹介します。
Boys Will Be Bugs、日本語に訳すと、男子はめんどくさいんだよ、くらいの意味ですかね。

日本で言うところの「厨二」の歌とでも言えばいいのかな。
村上春樹ではなく野崎孝が訳したほうの「ライ麦畑で捕まえて」のようでもあり。
聞いていると、自分が中学2年生だったときの情景が総天然色で迫りくるのを感じます。
懐かしいです。もし神様に「この頃に戻りたい?」と尋ねられたら全力で拒否しますが。
気に入った部分を抜き出してみました。

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I just turned fourteen
(Just turned fourteen and I think the world revolves around me)
I'm a dumb teen boy
I don't care about the government
And I really need a hug

14になった。世界が自分を中心に回っている気がするね。
俺は間抜けな10代の男子だよ。
政治なんてどうでもいい。欲しいのはハグだ。

My mum told me that she's worried
And I couldn't give a shit
The other boys at school
Think it's cool to hate your parents

母さんは心配してるとかなんとか言ってくるんだ。
知るかよそんなの。
学校の他の男子は、親を憎むことがクールだって思ってんだ。

I feel stupid (stupid)
Ugly (ugly)
Pretend it doesn't bother me
I'm not very strong but
I'll fuck you up if you're mean to bugs

自分が愚かで醜い感じがする。
別に?みたいなふりをするけどね。
俺はあんまり強くない。
だけどな、ちょっかいかけてくるんだったらぶっ飛ばす。

I punch my walls, stay out at night, and I do karate
Don't message me 'cause I won't reply, I wanna make you cry

俺は壁をぶん殴るし、夜は外に出て空手をやるんだ。
メールなんてしてくるなよ。返事もしないからな。
お前を泣かせてやりたい。
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たぶん、こういう悩みを悩むことができる14歳が住む社会は、比較的幸せなのだと思います。こんな14歳でいることが出来なかった/出来ない人が大勢いるのも知っています。私たちの暮らす世界が、悩むべきものを悩める場所でありますように。世界史に記録されるであろう事態が現在進行形の今日この頃、そんなふうに考えました。









2020年1月10日金曜日

PE(持続エクスポージャー・PE療法)について

今回は当院に受診していただいている/受診を検討している方ではなく、PEという治療法を受けようかどうか迷っている方へ向けて書いてみます。

PTSDの治療法の一つとして、PE(持続エクスポージャー・PE療法)があります。この治療法について、「辛い記憶になんども直面させ、それに慣れさせる(乱暴な)手法」「患者さんを痛めつけることになる」などと否定的なニュアンスで説明する専門家がいます。この説明を聞いて、受療機会があったにもかかわらず、PEを治療の選択肢から外してしまう方もいます。

ただ、この類の説明(辛い記憶になんども直面〜)は、やや誤解を招くものです。その点について以下に簡単に説明してみます。

辛い記憶と向き合う技法(想像エクスポージャーといいます)がPEの治療プログラムの軸をなしていることは事実です。しかし、想像エクスポージャーは、そのための準備をしっかり行ってから治療者と共同で行いますし、エクスポージャーのあとには、体験を振り返るための話し合いを行います。そして、この話し合いが大変重要なのです。

話し合いの内容も、治療の進行具合に応じて変わっていきます。治療者は、一連の治療を通して患者さんの負担を慎重に見極めていく作業を続けます。とても暖かなやり取りになることもしばしばです。つまり、想像エクスポージャーは、単純に辛い記憶に何度も直面させて慣れさせるだけ、といった単純かつ雑なものでは決してないということです。

PEのことを「辛い記憶になんども直面させ、それに慣れさせるもの」で、「患者さんを痛めつけることになる」などと説明する「専門家」がいたら、その専門家はPEのことをよくわかっていない可能性があります。もし、そのような専門家の説明でPEを受けることを思いとどまっているのだとしたら、他の専門家の意見を聞いてみてもいいかもしれません。

PTSDについては、PEの他にも認知処理療法、EMDR、対人関係療法などといった心理療法が有効であることが示されています。PEを含め、我が国ではなかなか受療機会がないとは思うのですが、これらのキーワードを覚えておかれると良いと思います。これらの治療法は徐々に普及していますので、いつかはみなさんが居住している地域でも受けられるようになる可能性があるからです。

もちろんそれ以外にも有効な治療法がありますし、「〜療法」といったものではなくても、信頼のおける治療者とPTSDの治療にじっくりと取り組んでいかれるのも良いと思います。(ただし、何年通っていても全く変化がない、もしくはどんどん調子が悪くなっていく、という場合は、治療者の変更を考えてみてもいいかもしれません)

PTSDという病気を抱えておられて、PEという治療法を提案された方々がこのページにたどり着いて、PEを受けるか否かの判断をする上での一助となることを祈っています。