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2021年3月24日水曜日

処方変更の要望について

今回は、処方変更の要望について書いてみます。

当クリニックに転院してこられる方の中には、前院に不満をお持ちだった場合があります。その場合、差し支えなければ何が不満だったか伺うようにしていますが、結構多いのが「薬を替えてくれなかった」です。

治療を批判したかのようにとられて、主治医を怒らせるんじゃないか、と思ってしまうこともあり、なかなか言いにくいですよね。私も自分が患者の立場に回ると、なかなかお医者さんには意見しにくさを感じますのでその気持ちはよくわかります。

ちなみに私の場合はというと、大歓迎です。「別の薬を試したい」「他の薬物療法の選択肢はないか?」などなんでもどうぞ。薬を絶対に変更して欲しくないという方もいらっしゃいますので、要望を伝えてくれますとむしろ助かります。

一方で「減らして」「中止して」という要望には、おいそれと応じにくい場合もあります。たとえば統合失調症や双極性障害を抱える方の場合、減薬や断薬は症状の再発、再燃につながるリスクがあるためです。うつ病の方の場合も、再発を繰り返している場合は、諸手を挙げて賛成できない場合もあるかと思います。

ひょっとしたら前院のケースでも、

精神科医「この方は処方変更して欲しくなさそうだな」

患者さん「薬変えて欲しいのに、一向にその様子がないな…」

みたいな双方のズレが、不幸にも起きていたケースもあるんじゃないかなと思います。

しかし、さっきも書いたように患者さんからは言いにくい場合もあるので、精神科医の方から処方ニーズを探る問いかけをしたり、患者さんが要望しやすい雰囲気作りをすることが必要ですよね。まだまだ至らないところも多いと思いますので、よりよいやりとりができるように工夫していきたいと思います。

もうすぐ春ですね。行き詰まりを感じたら、桜を見に散歩に出かけてみたりしても、いいかもしれませんね。




2016年6月15日水曜日

ベゲタミン販売停止

ベゲタミンという薬が今年限りで販売停止となることが明らかになりました。この薬は、フェノバルビタール、クロルプロマジン、プロメタジンの3つの成分からなる合剤です。この中で特にタチが悪いのが、フェノバルビタールです。フェノバルビタールを睡眠薬目的として使用した場合、一度服用を始めると大変やめにくく、すぐに効果が弱くなり、有効量を少し上回る量を服用しただけで命に関わる事態を引き起こします。このため、ベゲタミン依存の患者さんが多数出てくることになってしまったのです。

今回の販売停止は、この状況を重く見た日本精神神経学会からの要望を販売会社が受け入れ、実現したようです。

(自慢するようなことでは全くないのですが)私は精神科医になって以来、自分からこの薬を処方開始したことは一度もありません。いかなる患者さんにとっても、この薬の存在意義は全くないと考えていたからです。

私に担当変更となった患者さんにベゲタミンが使用されていた場合は、必ずその害について説明し、使用を中止するようにしていました。その薬を処方していた医師が先輩であろうと、高名な医師であろうと、これについては1ミリも譲歩しませんでした。(繰り返しますが、これは自慢するようなことでは全くありません。)

今回の販売停止の決定は遅すぎました。しかし、私はこれを歓迎します。患者さんの立場を第一に考え、今後もお薬の適正使用を心がけていきたいと思います。