ホニャラランは睡眠薬としては国内でも適応を得ていて、現在進行形で使用されていますが、糖尿病に効果を示すことを強く示唆する研究は現時点においてはありません。当然、糖尿病に対する適応もありません。
番組放映後、当然のことながら専門家を中心に大きな批判が巻き起こり、番組として謝罪がなされたようです。
このホニャララン、製薬会社がそのような説明をしていないにもかかわらず、なぜか発売当初は「従来の睡眠薬(ベンゾジアゼピン型睡眠薬)と異なり、依存性がない」といった触れ込みが出回っていました。(今なおネット上でそのような書き込みを確認することができます)
しかし、このホニャララン、発売当初からFDA(アメリカ食品医薬品局)が、従来の睡眠薬と同じく、依存性についての懸念を指摘していました。ホニャラランを発売する製薬会社も適正使用ガイドにて、依存リスクについてきちんと触れています。なぜこのような現象が起きたのでしょうか。「従来の睡眠薬とは異なる機序の睡眠薬が発売!」というキャッチフレーズが一人歩きしてしまったのでしょうか。
というわけで、いきなり結論に飛んでしまいますが...
- テレビ番組で紹介される医学情報は、必ずしも真実とは限りません。
- 新聞記事も同様です。「毎日○△茶を飲む人は、〜病にかかる人が少ないことがわかりました!」系の記事には特に注意してください。根拠となっている研究は、信頼度の低い観察研究であったり、利害関係のある企業が全面的に研究資金を出していたりすることがあります。また、その後同様の研究で矛盾する結果が出たり、より質の高い研究で否定されていたり、そもそも再検証すらされていなかったりすることの方がむしろ多いのです。
- ネット上の情報になると、更に信頼度が下がります。こと精神医療に関しては、有害といってもいい情報すら散見されます。
それでは、また。