2017年1月30日月曜日

パニック障害(パニック症)の治療について

遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

さて、当クリニックが開院して、1年と半年ほど経ちました。どのような困りごとの患者さんが多く来院されるか、だいたい開院前の予想通りとなっていますが、ひとつだけ予想と異なることがあります。

それは、来院患者さんにおけるパニック障害(パニック症)の割合が、思っていたより低いということです。パニック障害の方は、特定の身体感覚(動悸、息切れなど)に恐れを抱くため、まずは体の病気を疑って、内科(例えば循環器内科、呼吸器内科)を受診されることがほとんどです。おそらくは、そこでそのまま治療を続けておられるのだろう、と今は考えています。(まずは内科受診、という選択自体は大正解で、むしろ推奨されます。心疾患、甲状腺疾患などをはじめとした身体疾患の可能性を除外することが何より大事です。)

一方で、パニック障害は精神科の病気です。もし、下記の項目に当てはまるようであれば、当院にご相談いただく価値があるかもしれません。
  • 確かにパニック発作はおさまっているが、自宅からほとんど出られなくなった。
  • 抗不安薬(デパス®、コンスタン®、ソラナックス®、メイラックス®、リーゼ®、セルシン®、レキソタン®など)が欠かせない。少しでも薬が切れると途端に不安が襲ってくる。
  • 妊娠を考えているため薬をやめたいのだが...。
  • 認知行動療法(または認知療法)が効果的で、「考え」を変えたら症状が改善するとアドバイスされている。言われた通り、「考え」を変えるように努力はしているのだが...。
  • そろそろ薬をやめたいと思っているが、やめどきがよくわからない。
  • 病気を悪化させると聞いて、コーヒーやお酒をやめた。電車ではヘッドホンを大音量で聞いて気をそらしている。デパートに行く時には必ず家族についてきてもらう。日々の生活が不安を避けるための「おまじない」や「約束事」で埋め尽くされていて、なんだか窮屈である。
当クリニックの売りの一つは、一人の治療者(私のことです)が、薬物療法と心理療法の両面から、総合的に患者さんの状態を判断できることです。これは、パニック障害をはじめとした不安障害の治療においては、とりわけ大きな強みとなるのです。

パニック障害の治療について悩みを抱えておられる方がいらっしゃいましたら、お気軽にご連絡ください。