2016年4月19日火曜日

心療内科・精神科医療はクスリありき?

『クスリをなるべく飲みたくないのですが』
「クスリと心療内科・精神科医療はセットです。」

『クスリがあまり効いていなようです。他の治療法はありますか?』
「では、これ以上ウチでは治療できませんね。」

当院に転院して来られた方の中に、上記のようなやりとりをした経験を持つ方が多いことに驚いています。

疾患によっては(統合失調症、双極性障害など)、たしかに薬は治療の主軸として欠かせないものです。しかし、疾患によっては(不安障害が代表的です)、必ずしも服薬が前提となるわけではないのです。

私は心理療法の一つである認知行動療法を専門としていますが、心理療法を志す原動力となったもののひとつが、薬物療法一辺倒に偏っていた(ように私には感じられました)我が国の精神医療に対する疑問でした。

しかし、一方で皮肉なことに、心理療法の側から薬物療法を眺めてみて気づいたことがあります。それは、薬物療法がもたらす安定した治療効果です。徒らに薬物療法を忌避することは、治療の選択肢をわざわざ狭める結果をもたらしかねません。

当たり前の結論なのですが、結局はバランスです。どんな時に薬を使う必要があるのか/ないのか。薬を始める/終える時期はいつなのか。目の前の患者さんのニーズに応えることのできる薬は何なのか。薬物療法以外の選択肢はあるのか。薬物療法と心理療法の併用についてはどうか。これらについてきちんと治療者が把握し、わかりやすく説明することが重要と考えています。

--------------------------------------------------------------------------------------
一度始めたらやめられないのではないか?強い薬を出されてしまうのではないか?どんな副作用があるのか?人格が変わってしまうのではないか?心療内科・精神科で出される薬についての批判的な記事を読んだんだけど...。信頼できる人が薬を飲むのはやめろと言っているのだが...。
--------------------------------------------------------------------------------------

ご不安な点はたくさんあるでしょう。何でも聞いていただければと思います。